仕事中の人「中華料理店」/ A individual at work “Chinese canteen”
公開日:
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最終更新日:2014/07/31
ロンドン芸大 / Uni Arts London, 写真学び / Photography study Photo project, Course work
三軒目は、昨年から何度も通っているWaterlooの中華料理店。
ランチのお客さんが少し引く2時ごろに訪問しました。
5ヶ月ぶりに行ってみたら店長が変わっていました。このお店は、みなさん福州から来られていてやはり今度の店長も福州人。
僕も中国に2年半いましたが、ところ変われば方言が外国語なみに違うのに驚いたものでした。たとえば上海語と標準語は、日本語と韓国語なみに発音が違います。だからでしょうか、標準語よりも方言で話せる地域内の結束が高いのかもしれません。
さて蓓(ベイ)さんは、かつて日本でも4年ほど働いた経験があります。そのころは東京でエアコン設置などの仕事をしていたそうです。日本食おいしかったなあ、としみじみ語っておられました。
さて、撮影です。
厨房はなかなか混み合っていますし、出来たての料理を持ってあっちこっち移動しています。うっかりぶつかるのを注意しながら、同じく人の視野に近い50mmレンズで撮影を開始しました。例によって、ISO400で全マニュアルでの撮影です。
今回の注意点
今回のポイントは、割りと動きが激しい中華ですので、動きをどこまで止めるかを考えました。暗いため必然的になるべく長く露光したいですが、そうすると被写体が流れます。手前のものと奥のピントを両方はっきりと合わせるには、できるだけ絞り込む必要がありますが、そうすると今度は光量不足のリスクがおきるのです。
絞り値:F2.8-4
シャッター速度:1/30〜80
を目安に撮影することにしました。1/30では被写体は止まりませんが暗いから仕方なし。
椅子などに乗ることもできないので、カウンターに乗らせてもらったり少し大胆に撮りました。
終えてみての反省点
撮影者は観察者として空気のような存在であるべきか、適度に刺激を与えながら存在すべきか、という立ち位置があります。たしかに、ありのままを撮るには空気のような存在でいるべきでしょうが、それでもラポールの形成(信頼関係)をするには会話は大切だと思います。
そもそもそこに少人数しかいない場合、空気のように消えるなんて無理です。50mmだからかなり動き回るし。そういう意味では、インタビューのときにどれだけ心地よく話してもらえる空気を作り出すかということと似ているような気がしました。
特にはじめは失礼にならない程度の出身や経歴、おもしろいと思ってることや毎日の習慣、町の様子なんかをネタに話すといい感じがします。しかし、それもルールは場合によりけりで、あんまり話したくない人には静かに接した方がいいでしょう。
技術的には、相変わらず、ピント合わせは難しいと思うことが多かったです。しかし、今思うと甘かった。この後、スポーツや走り回る子供を撮影することになるのですが、そちらの方がよっぽど大変。
後に講評会で、先生から指摘が入りますが、一枚目の写真では鍋の取っ手と調理器が重なっていることが焦点をややぼかしてしまっていると言われました。また講評の回をちゃんと書きますが、写真は背景のコントロールをいかにするかが重要です。その理由は、今回は仕事中の集中の瞬間を捉えるのが課題ですが、ちょうど視点の先に集中が結集しているのにそこが不要な情報と重なることによって、弱くなってしまうからです。
ちなみにこの写真は、F2.8, S1/40で撮ってます。50mmレンズのF2.8といえば、結構ボケるはずですが、F2.0くらいでもっと背景をぼかして消してしまってもよかったかもしれません。
ただ、そういうことを瞬間瞬間考えるのは、なかなか難しいので観察段階で考慮にいれておく、車の運転でいうところの予見能力が必要だということでしょう。
さて、2時間ほど中華の厨房で過ごして終わると、酢豚とダックのランチをご馳走になってしまいました。たくさん食べろということで、ありがたくいただいて、写真をプリントして持ってくることを約束してお礼を行って帰りました。外は雨が雪に変わって寒かったですが、このお店はいつも温かな気分にしてくれます。
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