InDesignでブックデザイン

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いよいよ本格的にInDesignでの編集作業に入った。

思えば、10年ほど前に学生だったときはエクセルをはじめSPSSやSASといった統計解析で分析しながら論文を書いたり、パワーポイントで資料化していくという左脳をよく使う左翼であったが、今はPhotoshopにInDesignと右脳をよく使う右翼になったから、10年たったら人は何をしているかなんてほんとにわからないものだ。

さてそれはさておき、本造りをはじめると、身近にある本のつくりがやたらに気になり始める。これまでいったいどのくらいのタイプの本を手に取ってきただろう。ハードカバーの単行本、文庫、新書、雑誌、写真集などなど。しかし、きれいな本だと思ったことはあっても、どのように本が閉じられているか、設計されているかについて考えたことはなかった。中身にばかり興味があったのである。

今回、写真集を作るにあたり、本についていかに無知であるかを実感している。そんなこともあり、できるだけ素人にやさしい制作会社を選ぶことにした。数多くの製本会社があるなかでも、Blurbという会社を利用する予定。テンプレートに添って作成すれば、本が作れるというサービスを提供しているため、はじめてにはちょうどいい。そのテンプレートも、Light Roomという写真編集ソフト、ブックレイアウトのInDesign、自社制作のレイアウトアプリというどれだけ自分が手間をかけたいかという段階別に用意されている充実ぶり。できるだけ自分でやりたいという欲求を叶えてくれるのは、InDesign用のアドオンソフトである。

これをインストールすると、InDesign上にオプションが現れて、どのような本のスタイル(写真集、雑誌、パンフレットなど)、紙質、ページ数、表紙の種類などなど選択してボタンを押すと、レイアウトが作成される。そこには丁寧にBlurb社で製本する際の罫線が引かれていて、線の内側に写真や文章を配備していけば、切れることなく印刷と製本がされるということらしい。

当初は、綴じた後、本の真ん中でどのくらい切れてしまうのか不明だった。調べると、当社ソフトカバーの本の製本は、「Perfect binding」によるものです。とあるが、はたして何がパーフェクトなのか不明。どれどれということで、検索してみると、Perfect bindingとは 無線とじのことで、針や糸を使わずノリで接着する方法だという。なるほど、そういうのって日本の文庫のことだと思う。もっとも、アドオンでは自動設定されたので一安心。ちなみに、ハードカバーにするとLibrary bindingという閉じ方になるようだ。

予備知識までに閉じ方について検索した結果は下記サイトをご参照のこと。基本的なものだけで5種類くらいあるようだ。例:中綴じ、平綴じ、無線綴じ、糸綴じ、あじろ綴じ。閉じ方・種類 by (株)第一印刷

また、最も重要な問題のひとつは、パソコンの画面と印刷したときの色の違いである。色空間にさまざまな種類があるため、これが違うと致命的に印刷結果が違ってくるのである。一冊作成するのに5000円近くかかるため、印刷に出してから失敗だったと思っても遅い。そこには、Blurbで使われてれているプリンターに最適化された色合せのインストールソフトも配布している。まだ、実際に印刷に出す前なので、それがどの程度完璧なのかは不明だが、これがあるお陰でかなり安心できる。さすがに、数多くのユーザーがこの会社のサービスを利用しているはずである。フォーラムにあがっているナレッジも豊富。

肝心のレイアウトについては、前回も記したが、一度手作りで仮製本をしてページごとのイメージがつかめているので作業中にあまりレイアウトを考えることなく、スムーズにすすめることができる。ちなみに、このInDesignはアドビ社のアプリなので、PhotoshopのPSDファイルを直接貼り付けてレイアウト編集できるし、元ファイルを編集してもレイアウト上の写真にも反映されるので大変便利。

本造りは、ブックデザインのコースが独立してあるくらいだからほんとに奥が深い。タイポグラフィーというフォント、表紙のデザインにしたってそれだけで一分野ある。と、学ぶことは多いが、期限がある話なので力の入れどころを意識して進めたい。書籍中の文章、キャプション、リサーチエッセイと卒業までにすることは他にもいろいろ。表現の源泉になるリサーチや撮影はしっかり完了しているのだから、あとは期限に向けて楽しんでやっていきたい。修士課程も残すところあと2ヶ月を切った。

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