写真の学びをライフスタイルを読み解く仕事に活かす。ロンドン芸術大学留学を経て。

公開日: : 最終更新日:2014/07/31 ロンドン芸大 / Uni Arts London, 写真学び / Photography study ,

一ヶ月少々前のことになりますが、2年滞在したロンドンから日本に戻りました。2011年8月「異なる文化の中での市場・顧客分析の仕事を通じて、人々のライフスタイルや社会の雰囲気 を写真で表現することに魅せられ」て、もっと専門的に時間をとって学んでみたいと思いロンドンに留学しました。

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London 2011

町や人の観察への興味は、些細なきっかけだったと思います。東京のオフィスでマーケティングの仕事をしていたとき、自分がオフィスで働いている時間帯、町はどんな人が何をしているのだろう、と思いときどき有給を使って町に出て歩いたものでした。恵比寿、目黒、渋谷、品川、巣鴨、秋葉原、新宿など、百貨店、美術館、商店街を自転車や徒歩で尋ねました。昔、村上春樹さんが村上朝日堂というエッセイで書かれていましたが、日中に30代の男性が町を歩いていると目立つし不信に思われる、というのは結構21世紀になっても同じではないかと思ったものでした。

30才になって上海への転勤を経験しました。3年あまり暮らした上海では、町にあふれる人、音、におい、建築物など全てが新鮮だったのを憶えています。はじめて訪れた共産国の自由経済都市の様子や、出張で訪れずた各地方の違いに驚きました。それは車や家電製品の普及位率という統計上からもわかりましたし、低層の公営住宅が無数にならぶ地方の町の風景や水牛が農作業しながら鶏が放し飼いで走り回る民家からも一目瞭然でした。

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Shanghai 2010

今、深刻な問題であるPM2.5も当時は上海万博開催準備のため、都心の工場の操業は制限を受けていたため青空の日もときよりありました。一ヶ月単位で破壊と作り変えで姿を変えていく町の様子は、当時の自分には伝統が損なわれもったいないと思う気持ちと同時に、発展を象徴する存在で新鮮ですらあったのを思い出します。

国だけでなく地域が変わるだけで、これほど違うというのは、衝撃でした。3年ほどたつと、更に異なる文化の町並みや生活を見てみたくなりました。それに加え、人々のことを知り、生活の違いや面白さに気がついたときに、それをもっと深く知り伝える方法を自分の中に持ちたいと思い以前から一度暮らしてみたかったロンドンの大学で写真とドキュメンタリー調査について学ぶことを決意したのです。

そこでの学びは、これまでこのブログでも記してきたように「仮説・調査・分析・報告・議論・戦略」という仕事のスタイルの「調べる、分析、報告」という部分に、写真や映像の力を活用するためのトレーニングだと意識して取り組みました。

グローバル化というのは、もう長らく語られているキーワードですが、国内の特に地方にいるとまだまだ少し距離のある遠くの話題のような気がします。

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London 2013

しかし、上海、ロンドン、スリランカ、インド、アフリカである期間過ごしてみると、もうずっと以前からグローバル化は日常の一部です。特に、上海、ロンドンは文化のるつぼでした。人々のバックグラウンドが異なっているのが前提です。言葉だってばらばら。自分たちが常識だと思っていることがみんな違っているため、とくにロンドンでは違っていても割りと快適に過ごせる社会でした。名門大学院のクラスメイトの5〜8割が外国人なんてロンドンでは普通です。

百聞は一見に如かず、という言葉の通り、みんなの考えている「普通」がそれぞれの出身民族や文化で違うわけですから、いくら説明を聞いてもなかなか想像が難しいものです。

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Uganda 2012

2012年にアフリカのウガンダを尋ねたとき、田舎町でも携帯電話を持っている人は多いんだよ、と友人から聞きました。電気が行き渡っていないのに携帯?と思ったものですが、ソーラパネル発電など電気の来ている人の家で充電をお願いしたり、1時間以上かけて町まで有料充電サービスを使いに行ったりと、私からしたら不便きわまりないわけです。

しかし、夫婦別居が多いウガンダでは絆となる大切なツールであることが、状況を見ることで一気に理解できました。それに携帯電話の電波が来ているということは、インターネットに接続もできるのです。電気も水道もガスもなくてもネットはあるというはとても不思議でしたけれど。

スリランカのコーヒープロジェクトでは、「コーヒーを嫌いな人は95%」ですというより、何枚かのコーヒーを飲んだ後、苦味に顔を歪める顔を見ればどれくらい敷居が高いかも実感できます。フィールドワークの大切さと面白さを知ることができました。

そんな実体験と学びをバランスよくできたロンドン留学でした。次は、本格的にこの経験を職業として確立していくことです。

現在、写真・映像と数量分析の両方によるハイブリッドなライフスタイルリサーチのユニットの立ち上げをパートナーと準備しています。自分たちの強み、会社・個人事業主、会計、組織名、ロゴ、WEBなどなど、日々奮闘中です。春は新しいことをするのに気持ちのよい季節ですね。またその設立過程もこのブログに適時アップしていきたいと思います。

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2014年度もこのブログはPhoto toという名前の通り、写真や映像を大切に気づいたことを記していきます!

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