出会い方

公開日: : ゆく未知/考えごと

12032708_10204733296719347_9201735232249290270_o

筆者小学生時代の通学路

夕方に品川区内のスーパーによく出かける。

この前、小学校中学年くらいの女の子を連れたお母さんが、スーパーの入り口付近で子供になぜこの問題ができないのかと問い詰めていた。

どうやら、算数の問題を出したが子供がうまく答えられず、母親は怒り出しようだ。

子供は、ひどく困惑してうつむいていた。おそらく、こんなことが毎日繰り返されているのだろう。

果たしてこの子が、この先どのような学び方をしていくのか少し心配になった。学ぶことが楽しいとなるところがあるといいけれど。

そんなことを改めて思ったのは、医師をしている友人が歴史というのは、人間だけではなく生命の歴史から見ることで新たに見えるものがあると入っていたからだ。

人類もその中の一部であるが、その人類はたくさんの知恵を生み出し、それが学ぶべき対象として学校で教えられていたりする。バラバラに見えるそれぞれの教科にも、それが必要とされた物語りがそれぞれの時代、人にあった。そういうものの流れを切り取って学んでも、本当は面白くない。なぜそれが必要だったのか、その根源から知るときっとわくわくするほど面白い。

最近、自分の仕事界隈では、あらゆることが「デザイン」の範疇と捉えられている。ほんの5年も前なら、自分でもデザインは美大の範疇などと思っていたものだった。しかし、今は、体験をもデザインする対象として扱っておりそれをUser Experienceの頭文字をとってUXといったりする。そう考えると、勉強との出会い方もデザインの領域である。何か、緊張や競争の中で学んだ勉強はその緊張がなくなったときに続けるモチベーションを持たないような気もする。人生の学びはマラソンであるから、卒業後の方が人生では長いし、どれだけでも本当であれば変わっていける。

件の友人は、患者の親御さんから「どうしたら東大へ入れますか」と相談されることもあるという。そういうときに「お母さんは勉強が好きですか。もしそうでないなら、それは無理です」と答えるそうだ。

この話を聞いて、僕はスーパーの前でうつむいていた親子のことを思い出したのだった。好きなことはあんな風に叱って教えないよなと思った。だって、面白いものだから。

これは、その例だけではなく、あらゆる学びに関わることは導入の体験で何を感じるかで継続のモチベーションが変わる。そして、それが短期で燃え尽きるものなのか、長期間続くものなのかもある。そして、それは時に遅咲きで子供時代を終えてからやってくることもある。そして、社会人になってからの方が実は学ぶことは多いのである。おもしろい、おもしろいと言って、本人はまるで遊びのように思えてやっている人ほど、爆発的に伸びている気がする。だから、取り組むこととの出会い方とその後のつきあい方はとても大切なのだ。つまらないことはやはりやりたくないし、できるだけ楽しいことを自分の周りに集めていけるといい。

 

追記:写真は、愛知県にある自分のかつての通学路。釣り、ゲーム、野球で頭は満たされていた。

関連記事

振り返り:離職後3年が過ぎて

2014年6月で前の仕事を辞めてからまるっと3年たった。区切りの振り返りと備忘録にとつけてい

記事を読む

江戸東京博物館で東京を300年ほど前から振り返る

一年で三度も訪れたという友人の奨めで両国にある江戸東京博物館に行った。さして歴史に関心のなか

記事を読む

NHKクローズアップ現代「広がる”読書ゼロ”」を見て思ったこと。総合メディアの知情意とは。

アムステルダムの公立図書館[/caption] NHKのクローズアップ現代「広がる読書ゼロ」

記事を読む

見ることに関する考察

11月27日の日経新聞に面白い記事が載っていた。 私の履歴書・画家絹谷幸二さん

記事を読む

ユニット名/ Unit Naming

これから活動をしていくには組織名が必要ということで、ユニットメンバー2人で名前を決めることにな

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ブログ引越

こちらにブログを統合しようと思います。 引き続きよろしくお願いいたし

銀杏@目黒不動尊

いつもと違うカメラで撮影すると、やはりものの見え方も変わりま

星薬科大学裏門付近の桜

名所の桜も美しいけど、意外と近くにも立派なのがある。作家星新一の父

桜の名所は近所にもある。旧中原街道の桜

日本は自分の生活圏内に桜があってうれしい。 確かに桜の名

目黒不動尊の桜2016年

ソメイヨシノより2週ほど早く咲いていた。 目黒不動は80

→もっと見る

  • RSS フィード

PAGE TOP ↑