写真集づくり:タイポグラフィについて / Typography

写真集をつくっていると、タイポグラフィー(書体)についても注意が向く。正直、これまで気にしたことはあまりなかったが、なんだかいい雰囲気の看板だなとか、本だなと思うと、そういったものは書体自体が美しいことがある。
ブックデザインの専門家が大学に教えに来てくれている。マンツーマン指導に入る前は、二度ほどレクチャーがあった。そのときは、閉じ方やこの書体に関する話も扱われた。
覚えておいて役立ちそうなことは、英字の字体は大きく二つに分類されるということ。Serif(ひげ、うろこ)の有無で大別される。Sansはフランス語でないと言う意味。たとえば、Aの脚の一番下に-がついているのがヒゲありの所以である。
Serif font(ヒゲ付き)

Sans-serif font(ヒゲ無し)

この基本形を元に、無数のオリジナルフォントが世の中には溢れている。僕が通っている大学にも、その専門コースがある。文字もひとつのアートなのである。
思い出すのは、あのステーブ・ジョブズも大学を辞めてからタイポグラフィーのクラスに潜っていたことだ。故に、Macは豊富なタイポグラフィーを持つようになったというから、「人生なにが役に立つかわからないよ」とスタンフォード大卒業式で行われた伝説のスピーチで述べている。
さて、そんな文字デザインへの関心を持って町を歩いてみると、いたるところに不思議な字体を見つけることができる。例えば、ロンドン地下鉄の文字は、’i’の頭が四角い。Johnstonというフォントで1916年に地下鉄用にJohnston氏により作成された。2年もロンドンで暮らしていて、ほとんど毎日利用している交通機関で使われている文字なのに、そのことに気がついたのはこの日が初めて。新しい知識が、世界の奥行きを見せてくれる時があるとはこのことである。
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