最終学期がはじまった/Final term has begun
多くの大学や大学院は10月にスタートし一年で修了するのがイギリス流。しかし、我らがLCC(London College of Communication)の修士は、1月スタートの12月修了という不思議な設定。まあ、それは賛否両論でその御蔭で7〜9月をめいいっぱい卒業制作に当てられるということで、いいのではないかという話もあったり、夏の間にほとんどサポートが得られないので不安になるという声もあったりいろいろ。実際、自分が学生であるのを忘れてしまうほど長いスリランカでの夏だった。
10月にキャンパスに戻ると、うきうきしたような新入生が8割な中、最後の追い込みに向かう慣れた面々がちらほら。世の流れに逆行である。
最終学期といえば、修論だけれどうちの学科は作品つくって発表し、そのクリティカルレポート5000字を提出するのが卒業要件。確かに、芸大のクラフトの強い学校だけある。論よりつくってみせよということ。
要件書を読んでみるとこう書いてある。
On completion of this unit you will be able to:
1. Plan, research and produce a self-managed documentary photography/photojournalism project that includes a substantial body of original work accompanied by relevant text and a project proposal;
ドキュメンタリー写真作品制作を計画、調査、実行すること。制作やリサーチに関係するレポートも添付すること。
2. Synthesise theoretical and practical issues that have been addressed during the course;
これまで学んだ理論や関係事項を作品制作に収束、応用すること。
3. Critically evaluate the results of your own work;
自分の作品を客観的に評価批評すること。
4. Present a rigorously researched, scholarly and contextualised report related to your practice;
調査、制作過程をレポートで説明すること。
5. Bring a self-directed research project, and supplementary documents, to a conclusion within a specific time frame.
締切時間の中でプロジェクトを制作しきること。
An extended documentary or photojournalistic project (approximately 30-40 images) with full captions and supporting text with a project proposal and a related critical and evaluative report of 5,000 words.
原則30〜40枚の写真とキャプションなどの文字情報で構成される作品を提出すること。ただし、動画やスライドショーなどでは時間も考慮して作ること。5000字のレポートを添付すること。
とのこと。締め切りは11月25日(月)。
このメジャープロジェクトとして、スリランカのコーヒーリバイバルプロジェクトを次の観点からストーリーにしていこうと考えている。
- 紅茶とコーヒー
- イギリスとスリランカの植民地時代
- 地産地消のフェアトレードを踏まえたビジネス
- コーヒーのような嗜好品が飲まれない社会での再スタート
- 日本人オーナーの会社員勤務しながらのパラレルキャリア
- カフェ、山岳部、コーヒーに関わる人々と暮らし
いろいろ入り組んでくると複雑でいつもながらに理屈っぽくなりすぎてしまう傾向があるので、これから約3500枚ほどの写真を整理しながら、「ビジュアルの力」もよく考慮して物語のフォーカスを定めてみたい。残り2ヶ月弱のコース最後の旅のはじまり。
最終学期は、この2年間の芸大での取り組みを外からやってきた自分の目を活かしながら、描いてみたいと思う。この留学は結局なんだったかとかも。
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