Margaret Howell interview @FT / マーガレット・ハウエル インタビュー
公開日:
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最終更新日:2014/07/31
本 / book マーガレット・ハウエル, Creation, margaret howell
The woman behind the international brand talks about her preference for timeless style and simplicity over fashion
12月20日のフィナンシャル・タイムズにファッションデザイナーのマーガレット・ハウエルさんのインタビュー記事が掲載された。ファッションとスタイルの違いに関する言及がとても興味深かったのでこちらでもご紹介。
元々、ぼくはこのブランドの服が結構好きで中国にいたときなどは、日本に戻るとまとめて購入したものだった。本場、UKに来てからは残念ながらサイズが合わなくて見るだけになっているけれど。
ハウエルさんは、はじめから順風満帆なキャリアかというとそうでもなく、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで美術を学んだ後、BBCのメイクアップアーティストに応募したが合格することができず、その後、RCAという英国随一のアート大学院に応募するも、これも不合格。そんな挫折を経て、ネックレスのデザインで雑誌Vogueなどで注目を浴びるが、それも本来自分がやりたいことではなかったという。その後、子供の頃に抱いていた情熱に従って、自分のやりたいことに少しずつ近づいていったという。
マーガレット・ハウエルの服は、安くはない。記事中でも言及されている。
“Howell’s clothes are not cheap – one of her shirts could set you back £200, a skirt more than £300 – but they are designed to last.”
「ハウエルの服は安くはない。たとえば、シャツ一着に£200(170円換算で34,000円)は支払うことになる。スカートならば£300(41,000円)以上はするであろう。だが、そのデザインは、古びることがない」(訳:栗原)
高品質のものを長く着てもらいたい、そういうコンセプトを感じることができる。
文章の最後に彼女が語っているファッションではなく、スタイルという考えには共感した。
“I love the idea of making something that goes on for a long, long time,” she says. “It’s about finding a lasting style – not a fashion thing.”
「私は、時代を超えるものをつくりだすための発想が好き。それは、継続性のあるスタイルであって、ファッションとは違うもの」
デザインに対する姿勢として、示唆に富む内容だった。
Margaret HowellのWebサイト内にも、彼女の仕事に対する考え方がStoryに書かれている。”I think of myself as a hands-on designer. For me make is integral to my design philosophy. “(自分ことを実践するデザイナーだと考えています。私にとって制作は、自らのデザイン哲学の中で欠くことができないものなのです。)
たぶん写真でも文学でも、そういった継続性のある表現というのがあるのではないだろうか。時代を超える一瞬とか、物語。自己表現を強く反映しているエゴというものではなく、もっと自然なその人の作法みたいなものだ。そんな方向性を身に纏えたらと思う。
PS この記事を読んだら、近々また一着ほしいなと思った。
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