コースで自分の進む道@ロンドン芸術大学

公開日: : 最終更新日:2014/07/31 ロンドン芸大 / Uni Arts London, 写真学び / Photography study

ドキュメンタリー写真コースの中身をざっと俯瞰してみました。シラバスと現実は絶対にズレが生じるはずなので、それはこれから経験しながら本音と建前を感じていくしか無いでしょう。

大学院は自律推進の道場

ただ大学院は、学部とは違って自律的に研究していくところですから、自分の専門性や関心を軸としながら推進させていく必要があると思います。既に、日本で社会科学の修士課程を10年くらいまえに終えていますが、そのときも指導教授からは手取り足取りを期待しないで自分で動いていくこと、を言われました。その指導方針は、仕事を始めてから大変役立ちました。幸い、社会人1〜2年目はじっくりしっかり育ててくれる会社だったので、学生のころより面倒を見てもらった気がしますが、それ以降は自律協調が求められます。だから、学生に戻ってもそのスタンスでプロ意識を持ってやっていきたいですね。

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パッケージは使いよう

従って、コースのパッケージに完全に乗っかっているつもりはありません。昨年の学生何人かにヒヤリングしたときには、意外とシラバスの通りになってない部分が特に方法論のところは多いという声が聞こえたりもしました。それなら、自分でその環境を探したり、作ればいいかなと思います。確かに学費はしっかり払ってるけれど、狭い学校ばかりが全てはないでしょう。

あとこのコースに入っておきながらではありますが、いわゆる伝統的「フォトジャーナリズム」をやろうとは考えていません。もっとも、コースチューターもそれをぶち破れと言ってますが。

フォトジャーナリズムは、そもそもの意味は、写真を使って情報を報じることをいうのであり、必ずしも新聞や雑誌などのジャーナリズムの世界だけのものではなくなってきているとも思います。

たとえば、アートとの境界線で仕事をされている方もいますし、ビジネスの文脈であっても、生活者のライフスタイルやトレンドを表現する方法としても使えるでしょうしや顧客とのコミュニケーションをする際に、写真や文章をはじめとしたマルチメディアでより活性化させた使われ方は珍しいことではなりません。

コースの学生は40人くらいいますが、その半分前後は異分野からの進学者です。BBCサイエンス番組のプロデューサー、ケンブリッジ大学の文化人類学エスノグラフィ教授、HSBCの元銀行員、ファイナンス、戦略コンサル、マーケティングと結構ばらついています。こういう流れは、それぞれが専門分野で働いて見てきた現実を違う形で表現して世の中に出力したい、という欲求の現れだと思います。

そういう意味では、ドキュメンタリー写真というのは、経験を出力するプリンター的なスキルといえるかもしれません。それは必ずしも、戦争や貧困、犯罪、混乱といった社会問題だけが対象とはいえないはずです。

目標設定

そこでこの一年の学びの初期段階の計画として、シラバスの内容と合わせて以下のことを掲げてみたいと思います。卒業制作のテーマが一番大きい課題です。既に計画書は書いたのですが、少し時間もたったので、もう少し時間をかけて具体化します。

なので今の段階では、この分野を実践する際のプロセスごとの方法について目標設定をしてみます。

●リサーチ

強く斬新なリサーチ力の確立。ドキュメンタリーリサーチ、社会科学、文化人類学などを横断的に俯瞰し、活用可能なものを実践に活用する。

●制作コンセプト、技術

ファインアートや純粋フォトジャーナリズムをはじめ、それ以外の部分でも隣接分野に目を向ける。

技術は、デジタルを中心に美しさや表現の幅を広げる知識とコツを学び公開する。

●発表

テーマによって発表の仕方も変わってくると思うが、正統派のプリント展示、マルチメディアを使った映像展示、WEB、書籍など、長所短所について考察したい。

展示方法については、ギャラリーを訪ねて比較分析したり、人の観察心理に関わる知恵や知見でもあれば、そういったものを紐解いてみたい。

●拡散

プロモーション方法についても、少額予算での草の根ゲリラ方法など口コミやSNSを有効活用して、より多くの人の目にふれるにはどうできるかについて考えとトライアルをする。

毎週実技課題も多い中、先輩たちは走り終えるのだけで精一杯だったと言われているので、少し欲張りかもしれません。ですが、目標を立てるのは自由ですしそれがないと流されていってしまうし、せっかく会社を辞めて取り組んでいることなので、同世代に負けないくらい濃く斬新な内容にしたいものです。

各プロセスは進捗をこのブログに書きますし、学期ごとに数回レビューを入れるようにします。会社でいえば目標設定みたいなものです。また漏れているものがあれば、適宜、過不足の修正はしたいと思います。

 

さて、次は早速始まっている実技課題についてです。

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