コース開始後、4ヶ月半ほどたってこれをやっていきたいと少し思えたことがあります。
その一つが先日から取り組み始めた写真発の動画を撮ることです。
でも、その目的の多くは音にあります。そもそも写真コースに留学しようと思ったきっかけは、人と生活場所にまつわる幸福感や時間の流れに強い興味があったからです。それらをとらえるのが目的であるなら、静止画という方法に固定されなくてもいいのではないかと考えています。課題にあわせて方法を学んでいけばいいやという発想は、前に学生だったときと基本は同じですし、会社での仕事では使える方法はフル活用するのが当然でした。

音の大切さについて思いを強くしたのは、この秋と冬にベルリンやクラクフ、アテネなどをまわったときに旧市街地で聞こえてきた町を包んでいる生活音でした。

特に、ベルリンの冬の駅のプラットフォームで赤と黄色なのにどこか地味に見える列車が走りこんできて、プシューとスチームがでたとき、カメラで数枚撮ってみたのですが、あとで見返すと足りないものに気がつきました。
思ったのは、あの音がもう一度聞きたいということでした。

また、上海で生活していたときは高層階にいたこともあり、夜が明けるとあらゆる方向からエンジンやクラクションの音が響いてきて、町自体が起きたのだと感じていました。

中国の家で朝の音と共に目覚めたのに、あの窓はここにはない、そんな夢をベルリン滞在中に見ました。そのときに、いくつかの土地で感じてきた雰囲気の違いの多くが、音から来ているのではないかというきがしたのです。

そんなことで写真とともに、音も記録していこうと決めました。それをする方法はいろいろありますが、短い動画にすることをまず試してみようと思います。

改めて動画に関心が出てくると、写真を見たとき、次の瞬間どんなことが起こるのかやどんな風がそこに吹いていたのかということが気になり始めます。不思議なものです。

映画を見ているときにも、そのワンシーンごとの構図がとても熟慮して設定されていることを感じます。
映画でいうと、「珈琲時光」は淡々と流れる映画ですが、その構図は写真集を見ているような日本の日常が表されているような気がします。アニメでも、ジブリの作品は、いくつものシーンでそこをキャプチャーして写真にしたいと思える場面があふれています。

もともと、写真を大量に連続してみせるのが動画なので、そのように思っても何の不思議もないのかもしれませんけれど。

撮影機器や記憶メディアの大容量化、Cloudの充実で写真画質の動画もどんどんネット上で公開できる時代です。せっかく縁あって、今の時代に生きているのだから、伝統的な手法も学びながらも、先端の恩恵も受けながら活用してより身近に見て感じてもらえるような取り組みにも挑戦していきたいです。

はたして音も組み入れるのに、動画がいいのか静止画と音の組み合わせがいいのか、まだわからないけれど、試してみたいです。

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