受け入れることと変えていく挑戦 ウガンダでの挑戦

受け入れることと変えていく挑戦

今回の旅の目的は、同年代のRさんが小さな村で教師としてどんな風にして働いているのかを見させてもらうことが一番でした。

もちろん、再会したかったということもあるけど、自分が今のように去年とは違った暮らし方や専門性を構築しはじめたこともあって、これまでの職業とは違う選択をした彼女がどんなことを考えて、異国の小さな村で働き暮らしているかはとても興味がありました。

水道もガスも、電気だって満足にないところで暮らすのは、特に若い女性にとっては大きな挑戦だったと思います。来たばかりのころの真っ白な肌の写真やコウモリや害虫が生息する家を泣きそうになりながら掃除した話は

”コウモリの巣だったところを「本当にもうやだー、本当にもうやだー」と一人で叫びながら掃除しました”

今は笑い話だけどそのときはほんとに心細かったんじゃないかって想像できます。
お風呂だって井戸水を浴びるわけでシャワーはありません。

そんなことを乗り越えながら暮らして、

ぼくは少しだけの滞在でしたが同僚や地元の人との関係性をとても大切にして尊重していることはわかったし、それでいて改善を試みていてガッツあるなあと思いました。

算数や音楽を教えるといっても100人近くいるひと学級をまとめていくのは簡単じゃない。
4年生から勉強しはじめる共用語の英語も、5年生が担当ではまだお互いにうまく意思疎通ができないことだってあります。
自分の小中の学校を思い出しても30人でも、進捗が早い子、遅い子でわかれていたものでした。
100人いればなおさら。ほとんどの子供たちは教科書だってもってなくて、彼女の手書きの問題集がテキストです。

「できる子を伸ばしたい」と「よりたくさんの子が進級できるようにしたい」というジレンマがつきまといます。
でも、彼女はそのどちらにも挑戦しようとしている姿があって、すばらしいなと思いました。

たとえば、放課後に行われる少数選抜の音楽倶楽部の子たちはほんとに楽しそうに真剣に練習していたし、進捗別につくっているテキストだってやりたい子には それだけ提供している。そしてもうひとつは、多くの子供たちが陥る要因を探るために、独自に収集している個別のデータがすごかった。電気が使えない状態 だったから、手書きでマニュアルエクセル。正直、これを見たときには、労力と着眼点の両方に感動しました。ほぼ全員の問題レベル別正誤の結果が、データ ベースとして手書きで保存されているのです。

ものを買い援助するのは簡単だろうけれど、このような根本にある原因を突き止める活動は、うまくいけば点ではなく、長く線のような効果をもたらすのではないかと思います。
また、現場で見える豊富な気づきも有効です。彼女は教師なので、生徒がよりできるようになってくれるのが目的なので、分析し問題発見するだけではなく、解 決までしなければならない。当事者そのものなのです。分析のバックグランドはないようですが、既に現場で得た仮説や洞察から一部分析もされていましたが、 なかなかすばらしかった。
感動するとともに、改めて分析という行為が実行と表裏一体であるとき、本当の力を発揮するのだろうなと再認識しました。

一週間密着させてもらっていろんなことを見させてもらいました。
一番印象に残ったのは、受け入れることと変えていく挑戦をバランスよくして村にうまく溶け込んでいるなということでした。都会に住んで快適な中で暮らすの も確かに楽しいけれど、人生の一時期を自分の決めた環境で仕事に打ち込むというのもすてきなものです。赤土のウガンダでは、すぐに砂埃で汚れてしまい黄色 くなったと言っていましたが、僕には彼女がきらり輝いて見えました。

この記事へのコメント

1. Posted by Eri   2012年05月15日 23:54
とっても共感する内容。
そして、写真も素敵ですね。
深く悩みながらも、前進していくということ。
現地の子供たちは日本から来た先生をどんなふうに見ているのかなぁ。
2. Posted by Shin   2012年05月17日 18:42
Eriさん

スーダンのことを懐かしく思い出すのではないでしょうか。

子供たちは先生にいつもくっついてくるような人懐こさだったから、かなり受け入れられているのではないかと思ったよ。問題がほしってノートを持ってくる子もいるし、音楽の練習をしたいと要求しにくるしやる気がある子は積極的にアプローチしてきてた。

同じ釜の飯ってありますが、
同じとこで、同じものを食べて、一緒に過ごすってのはやはり共感を生む第一歩なのかもですね。

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