Degree Show Preparation-01 Layout / レイアウト @ London College of Communication

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エッセイと作品の提出が終わり、いよいよ修了展の準備がはじまった。

この修了展では、写真、本、マルチメディアの展示と方法をいくつかのスタイルから選択できる。今回は、写真と写真集の展示をすることにした。ギャラリースタイルの本格的な展示を一度経験しておきたかったというもあるし、本への導入として印象に残る写真を何枚か示したいと思った。

昨年の基礎コースのときにも一度卒展を経験した。しかし、そのときは写真ではなく、ビデオ上映を行ったため、実質写真をしっかりと展示するのは初めての経験

写真のコースで学んでおきながらも、長らくギャラリーで写真や絵を見るのを不得意としてきた。自分はどちらかというと、文字や数値といった情報で物事の文脈を追いかけたがる傾向があって、そういうものがないと混乱するか、興味をもてないできたのである。

まさに、そんな性格というか思考スタイルを変えたい、脳の左側よりも右側をもっと使いたいと思ってやってきた芸術大学での生活も残り僅か。その集大成を文字通りビジュアルで示せるよい機会でもある。

ロンドン芸大のLCCは、校舎の中がギャラリーになっている。Elephant and Castleという町はお世辞にも美しい町とはいえず、治安もロンドンで下から数えた方が早いのようなところだが、校舎の中は真っ白な壁に覆われた美しいギャラリーなのである。校舎に入った人がまずみんな通るUpper Street Gallery、1階(日本でいえば2階)から見下ろしたり、降りて行くことができるWell Gallery(井戸ギャラリー)の二箇所が、修了展で使用できる場所である。

誰もが通るということでいえば、Upper Street Galleryは一等地、Wellは見るためにアクセスする場所。僕は個人的にはWellは好きだけどね。でも、Upper Street Galleryにでかでかと展示すれば、学校へやって来た人全員の目に自然と目に入るし、展示効果は絶大であろう。

場所の希望があれば、チューターが予め知らせてほしいと言っていたが、僕は作品だけ見せて後は彼らのキュレーションに任せることにした。というより、その他の課題で展示プランの策定まであまりアイデア出しが進んでいないというのが実状だった。

今週、展示場所が決まった。分野で場所が大きく分けられることになった。Upperは純ジャーナリズム、Wellは環境・商業、人の繋がりの三つ。自分の作品は、商業・環境系ということで、Wellの井戸ギャラリーに展示されることになった。

2.5mの横幅、2.8mの高さと机を置ける階段の下が自分の場所。はじめ見た時、これはちょっと微妙かもしれない・・・、と思った。Wellギャラリーに階段で降りてきた人の進行方向とは真逆の壁への展示で、視認性があまりよいとはいえない

また、本を複数冊展示し、机と椅子を配置したいということで通行人にじゃまにならないところとなった。しかし、それは言い換えると人があまり来ないところじゃないか、という懸念も。「ここ微妙じゃないですか」と先生に言ってみたら、「本を複数冊展示するなら、そこがいいじゃないか」と。まあ、そういう観点から考えればそうでもあるけれど。場所は自分のリクエストと作品の内容によって決まった部分もあるので、この場所を最大限活かして展示するのが知恵と技の見せ所である。それに考えようによっては、1階を通行中の人からも見えるし、Wellギャラリーの階段を登る人の目には入りやすい。高さを活用しやすい壁でもある。

さっそく、設置場所の寸法を測定して、写真を撮って展示プランを練り直した。もともと、いくつか考えていたのだが、やっぱり実際に場所が決まっていない段階では決め手にかけていた。

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Plan1. 時系列説明ヨコ型

チューターからは、Plan1を提案されていた。大きなA1かA2の写真を左右に配置し、時系列に物語を森と町で流してスリランカのコーヒープロジェクトの成熟をあらわすというもの。

10枚の写真は、本の内容をダイジェストするにはよい分量かもしれない。しかし、本の内容をダイジェストする必要があるのかどうかという問題点もあった。また、10枚展示することで、写真1枚を小さくする必要出てくる。

更に、場所が2.5mの幅となると、一番目立つものを考えていた左端が入りきらない。よって、この案は不採用。

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Plan2. 時系列説明タテ型

この展示案は、1の応用で、高さを活かすために左右の写真を上下に移動させたもの。依然、説明的であり、かつビジーな集まり方(視線の逃げ場がない)をしているため不採用。

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Plan3. 時系列説明タテ拡張

これもPlan1の派生系。中央に集まりすぎていた2の欠点を解消するために、上下の写真を左右に離した。また、観衆の導線から、左上は高くした方が視認性がよいし、物語が左から右に流れると考えるとスムーズに見られる。

しかし、依然中央にはたくさんの説明的な写真がある。

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Plan4. 感性自由形

4は、他の案があまりに説明的過ぎて、本でやろうとしていることを壁面で実現しても中途半端になるだけという思いから思い切ってはじめ4枚にしたところからふくらんだ案。使う写真も色の調和、綺麗さ、インパクトの三点から選んでおりストーリーを伝えることはあまり考えていない。ただ、森と町で起きた物語ということだけはわかるようになっていると思う。

左上から右下に下るのも、隣に階段があるため、お客さんの導線を意識した。

今日、大学に行って、ファインアート写真専攻の人にも見せたらPlan4いいじゃんということだった。逆に、他のはフォーマル過ぎて、「Homework」みたいよ、と言っていた。言われてみれば、そのとおりである。自分の殻とか固定観念を、もっともっと壊していかないとなあと思う。よい経験をしてい

たぶん、実際に壁に置いてみたらいろいろまた変わるはず。そうやって少しずつ感じてもらえる展示にできたらと思う。しかし、説明的な素地はなかなか壊すのが難しく、自らの石頭ぶりを実感する。今回も、複数のアドバイスをもらいながら少しずつトランスフォームしていっている。る。

さて、Plan4には下記のような写真を入れるつもり。

いよいよ来週は、プリント用のイメージ作成と依頼、作業である。自分の思った色に印刷してもらうというのも、また学びが多いプロセスである。

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