「豊かさの栄養学 」丸元淑生を読んで、食生活について考えた
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毎日繰り返していることなのに、それほど深く考えずに続けていることは見直しをする時間を持つといい。衣食住に関することは特にそうであるが、食は身体を短期的、長期的に支えるものになるから最も大切であろう。しかし、これまであまり真剣に考えることをしてこなかった。
なんとなく自分の中で注意していたのは、カロリーの摂り過ぎ、すなわち炭水化物や糖質の過剰摂取を避ける。野菜を毎日摂ること、肉と魚、穀物のバランス。
しかし、この本を読んでカロリーには「空カロリー」という概念があることを知った。同じカロリーでも、それが栄養としてどのような質を持つのかがむしろ重要だということだ。
「たとえカロリー源を多くとっていても、それが十分な量のビタミンB群によってエネルギーに転換されている限りあまり問題がない。細胞の活動は活発になり、体はエネルギッシュになるし、脂肪も増えないはずだ。ところが低ビタミン型の食事パターンを変えずに、たんにカロリーを減らそうとすると、エネルギーは足りないのに太っていくという結果になる。必要なのは、白いご飯を白いパンに変えることではなくて、精製したコメや小麦粉を精製していない米や小麦粉にすることなのだ」p49
「精製した炭水化物、つまり白パンや白いご飯を腹いっぱい食べたときは、ただ満腹感しかないのだが、それは多くの栄養素が精製の過程で捨てられているからである。満腹感だけあって充実感はないそして、エネルギーも出てこない」p52-3
しばらく前に、炭水化物をやめてダイエットするというのが流行ったようだが、炭水化物もミネラルを含むのかと、他のビタミンとどう摂取してエネルギーに変えていくかがポイントであろう。
僕は、白米もパンも好きで炭水化物をやめようとは思わないが、せめて米は穀物を足して更に最近はにがりを加えて炊くようにしている。
30代半ばを過ぎたら、身体は手入れの状況によって活力が大きく左右される。食に着目して身体に摂りれるものをもっと大切にしたいものである。
内容(「BOOK」データベースより)
豊かな時代に居合わせたがゆえに、われわれは好きなものを、好きな時に、好きなだけ口にできるようなった。その豊かさが今、多くの現代病をともなう危険な食生活へと日本人を向かわせている。「食べる」とはどういうことなのか、わかりにくい栄養学上の問題点を、図解によってわかりやすく説き、飽食の時代の、正しい食事のありかたを示す、新しい栄養学ハンドブック。
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