フォトブックの編集:写真選び/ Photo book editing
100枚前後まで写真を絞り込んだ時点で、次はInDesign(アドビ社の本や雑誌などのレイアウト作成アプリ)で直接写真のレイアウトをしていこうと考えていた。
しかし、チューター、コースメイト、写真家の方々はほぼみんな一度印刷してから複数の写真との関係性も加味してレイアウト案を考えた方がいい、と言うのを聞いて、これほどまでにみんながいうからにはそうに違いないと思い100枚を印刷してみた。
Lサイズほどの写真を100枚個々に印刷すると、さすがにコスト高だし、目的は並びを確認だから、A4の普通用紙に4枚を割り付けして印刷したものを切って使用。
この印刷準備は、やっておいて正解だった。実はちょっと億劫だなと思っていたのをコースメートのYさんが、私が教えてあげるから今印刷したほうがいい!と元気に教えてくれたのだった。
4. 写真の再々吟味←ここから
机や床にざっと並べて、ストーリーを元にした写真を自分で一度選んでみた。その後に、ストーリーをあまり詳しくは知らない人に写真のインパクトや綺麗さなどから同じように選んでもらった。パソコンの画面で見られる写真は範囲にも制限が出てくる。また、複数人で語りながら見るにもあまり適していない。その点、印刷は、並べて、順番を付けやすい。
それに、「その写真は物語があればわかるけど、ビジュアルは弱い」というような指摘はなかなか自分だけではできない。そういう意味では、第三者的視点は重要。
5. レイアウト
次に、実際に作成するフォトブックの大きさでダミー本を作って、写真を仮留めしてページをめくった時の見栄えを確認していく。実際に本を作る段階になると、さまざまな制約条件が課せられる。たとえば、実際の本のサイズは制作会社によって異なるので事前に確認が必要。自分の最適サイズを指定して作り始めて、後で無理とわかったら修正作業が結構大変。自分の場合は、今回はロンドンで依頼可能なB社にすることにして8×10という大きさを選択した。
このプロセスでは、読者が実際に体験する写真との出会い方を自分で確認しながら配置することができる。いつも本は読むばかりで自分で作ったことはなかったが、作業してみると配置の順番や位置は、パソコン画面で見るのとはかなり違う印象を持つことを実感した。このプロセスは手間がかかるけど、必須である。
この作業には、ノリなどで固定せず、左右上下自由に貼替えできるテープが適している。
また、この過程でキャプションや文章を入れるスペースも鉛筆で記載しておくと、実際の写真との関係性を視認することができる。
レイアウトやブックデザインについては、ブックデザイナーの先生に、「レイアウトについて迷ったら、本屋か図書館に行って自分がいいなと思う本を手にとって実際に読んでみたらいい」とのアドバイスを受けた。確かに、これまでの人生にどれほど大量の本や雑誌に触れてきたことであろう。それらの経験が本を作るときも大きな財産になる。
今回は、KINFORKという本の写真やレイアウトが美しくてテキストとのバランスもすてきだったので参考にしながら手を動かすことにした。
ここまで終わってようやくInDesignでレイアウトを作成した。
見開きページの状況は、この段階でようやく状態を確認できる。
前のページが次のページに与える影響も加味した方がよく、ペラペラと何度も読み返す。強い写真の次は、少しソフトなものを入れたり、色の繋がりについても考慮する。
InDesignでデザインしたものをプリンターで出力して、それを本のように綴ると写真のような仮本ができあがる。これでより本のように流れを確認できる。
写真の大きさや白地とのマージンについても確認が必要。余白が与える影響も無視できない。
次に大切なのは、文字である。どのようなフォントをどのような大きさでどこに配置するか。今週はこの作業に没頭しようと思う。
今回の編集過程は、美術写真家のKさんに全面的にサポートをしてもらった。説明的になりすぎる自分の特性をいい具合に中和して、ビジュアルの力を活かせるように導いてもらった。どうもありがとう。
フォトブックの作成については、下記レクチャー動画が参考になる。
How to Layout and Design Your Next Book Like a Pro (69:13)
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