酷暑到来。インド北中部は40度超えでエアコンが昨年の3倍売れ品薄中/Heat wave comes in India. “Coolers and ACs selling like hotcakes”

公開日: : 最終更新日:2014/12/08 気候 / climate

インドの5月はとにかく暑い(熱い)

3〜6月がグジャラート州の夏にあたり、5月はもっとも暑いと言われています。事前に聞いてはいたものの、実際46度を体験すると、想像以上に厳しいです。おまけに湿度は15%程度と低くカラカラに乾燥しています。日差しの強い外に出て10分歩くというのも結構たいへんです。ちなみに、夜でも水道からは熱すぎない程度のお湯が出ます。

日中の歩行での移動は、かなり危険を伴うでしょう。もっとも、アーメダバードやガンディナガルの道は、歩いて移動することを前提につくられてないため、そもそも数キロ歩くのすら快適とはいえません。車道脇はだいたい砂地で無数のゴミが散乱し、犬たちが闊歩しています。更に暑いとなるとモチベーションがわきません。バイクやリクシャーでも、目が暑さで開けていられないほどです。

ニュースによれば、アーメダバード市だけで5月の3週間で2,000人以上が(グジャラート州全体で1.1万人)暑さによって倒れたそうです。統計に含まれない人々を含めたら、更に多いと思われます。(そういう人の方が過酷な環境で暮らしています)

猫や犬もなるべく涼しいところを探して、隠れるようにしています。鳥達も日差しを避け、ハエですら扇風機の強い風の中を飛ばされないように舞って涼んでいます。

エアコンが売れすぎで品薄状態

全国紙THE TIMES OF INDIA5月28日によれば、この酷暑で「クーラーやエアコンがパンケーキのように売れている」といいます。記事をざっと要約してみます。

・「20日からの一週間の熱波によってクーラーとエアコンの売上が記録的な伸びを見せており、今現在で昨年の約3倍の売上」

・「毎年10〜15%値上げしているにもかかわらず、エアコンとクーラーは20〜25%売上を増加させている。在庫が足りず、注文後一週間たっても届かない」

お店で見たところ本体・室外機別でRs.30,000-50,000(約6〜9万円)の価格帯の製品が多いようです。一体型だとRs. 20,000前後からありますね。

・「消費者は経済的に暑さを凌げる方法を探している。しかし、電気代は年々上がっているため、昨年のエコ消費電力5つ星は、今年の3つ星程度にしかならない」

インドの売れ筋エアコンのランキングもあります。

HITACHI, ONIDA, WHIRPOOL, MITSUBISHI, LG, GODREJ, PANASONICと日本メーカーの中では日立が室外機別(Split)のタイプで上位を占めています。

・「2013年は、インド中で350万台のエアコンが売れた。そのうち28万台はグジャラート州」

グジャラート州は全インドで10番目に人口が多く5,000万人が暮らしています。インド全体の8%がこの州で売れているのは、企業誘致が盛んでオフィスが多いということもあるでしょう。

・「80%は本体と室外機が別れたものになっている」

インドでは、本体と室外機が一体型になっているタイプのクーラーを多く見かけます。実際、お店でもまだ売り場の3分の1から半分を占めて売っています。価格は安いのですが(Rs. 20000前後)、窓がひとつ潰れてしまうし、音がうるさいのがマイナスです。下から二番目の写真は、一体タイプの外側です。パナソニックがインドで2010年に独自開発したCubeという製品は、この一体タイプと同価格帯でありながら、室外機を外に出して窓を潰さなくていいというメリットを打ち出した商品です。

LGが開発した超音波で蚊を寄せ付けないエアコンなんてのも発売されたようです。昔から超音波の蚊よけはキャンプ用品でありましたが、あまり効果がないものばかりでした。この製品に、しっかりとした効果があれば、蚊の多いアジア全般でヒットするかもしれませんね。ただやはり、効果を実体験するまで半信半疑です。

LG offers mosquito-away air conditioner for India

この酷暑でエアコンを購入しても、未だ設置が間に合わないという人たちも多いのが気の毒ですが、実は私が暮らしているNIDの宿舎でもエアコンが入っている部屋は多くはなく、多くの部屋は天井のファンだけです。でも、夜は私もエアコンを止めて寝るので、湿度さえなければ案外風を流しておくことでなんとかなるのかもしれません。

ただ、クーラーやエアコンが品切れをおこすほど売れるというのは、それだけインドの生活水準が上がりつつあるということなのでしょう。暑さは毎年40度後半が普通だそうですから。

そんな暑い季節が過ぎると6月中旬からは、今度は雨季がやって来て今度は雨ばかりのモンスーンがやってきます。暑いのがいいのか、雨ばかりがいいのか、またそのとき書いてみようと思います。

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