インドでテレビを買う

2014年5月、インドにやってきて最初の懸案は、6月からスタートするFIFAワールドカップブラジル大会が見られるだろうかということでした。

インドでメジャーなスポーツはやはりクリケット。人口が多いゆえにサッカーファン人口も増えてきているとは言いますが、日本代表の試合を見られるだろうかと。

滞在中のNIDキャンパスには、学生寮の各一階のスペースにパブリックビューができるテレビが設置されています。これで見られるのでいいかと思ったのですが、仮に人気チームと日本代表の試合が重複した場合、間違いなくチャンネル権は人気チーム側へと行くでしょうから、確実性はありません。

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寮の入り口。パブリックビュー用のテレビ

ということで、確実に試合を見るためテレビを購入することにしました。

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アーメダバード市内には、大きな家電量販店と日本にもあるような家族経営の小さな個人商店の両方があります。なんとなくいろいろ比較してから決めたいと思ったことや、補償や配達などがシステム化されていそうな大型店を複数見て、リライアンスというチェーン店で購入することにしました。さほど長期間は使わないので、高額なものは必要ないとはいうものの、家電好きとしてはやはり買うならそれなりのものをと思ってしまいます。

インドのテレビ売場

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テレビを見て回っていると、日本製については、イギリスや日本と比べてやや割高なのではないかという印象を持ちました。確か、2013年にロンドンで買った新品の東芝の32インチテレビは£180(24,000円: 当時£1=150円程度)でした。

僕が欲しいと思ったソニー製28インチは、21,000ルピー(37,800円: 当時1ルピー18円程度)で、他のメーカーに比べて自然な色合いとそれなりに豊かなサウンド、そしてすっきりしたデザインがいいなと思いました。(実際、インドでは色はより鮮やかに調整されたものが売れるようで、VividとかDynamicという設定を選べるようにもなっていますが、僕にはむしろ不自然な色)

インドという土地を考慮すると印象より少し高い価格感については、世界的に多くのメーカーが価格競争をして疲弊している中、なんとか価格を維持したいという努力の現れなのだそうです。テレビのような売り切りで売った後に利益が期待できない商品であれば、でもそれには納得です。代金をクレジットカードで支払い、とりあえず翌日配送してもらうことにしました。インドでは壁がけが一般的なので、壁にインストールするのかどうかも尋ねられます。うちは、借り物の部屋なので穴あけはどうかと思いますし、それほど長い間住まわないと思いスタンドで立てることにしました。

インド・アーメダバード/ガンディナガルの放送事情

インドは日本とは違い、テレビだけ買っても番組を受信することができないと聞いていたので、衛星放送チャネルと契約しなければなりません。FIFAワールドカップを全試合独占放送するTATA Skyと契約することにしました。しかし、テレビ売場では契約ができないそうなので、そちらは別途電話かネットで申し込みをして、最寄りの担当代理店がやってくるという仕組み。

WEBで地域、氏名、電話番号を入力するとすぐに電話がかかってきました。近所の代理店がテレビ到着と合わせて向かいますとのこと。

受信ボックスには、ハイビジョン対応とノーマルなものがあり、ハイビジョンで1900ルピーです。これには、ボックスとアンテナ、ケーブル、設置代金が含まれています。サッカーとBBCニュースが最低限見られるように一ヶ月390ルピー(700円程度)のサービスに申し込みました。番組自体は、日本のwow wowと同様で100を超えるチャンネルがあります。インドは言語も地域別に異なるため、グジャラート州ではグジャラティという地元の言葉の番組も多く、その他はヒンディ語、そして英語とあります。ディスカバリーチャンネルやナショナルジオグラフィック、CNNなど欧米の番組も多数見られます。

翌日、午後、日本ではお目にかかれないようなクラシックなトラックに従業員が3名乗ってやってきました。順番に配達しているようです。リライアンスという量販店は、このあたりの配達システムはしっかりしているような印象を受けました。ただ、その前に壁掛けを断っていたにもかかわらず、壁掛け業者の方も見えていて、テレビはまだ届いてないし、インストールは不要とのことで帰ってもらいました。

大きなパラボラアンテナがやってきた

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テレビの到着に合わせるように、TATA Skyの代理店のおじさんもバイクでやってきました。背中に巨大なアンテナの入ったリュックのようなものを背負っています。一瞬、こんなでっかいアンテナが自宅の壁につくのかと驚きましたが。。。

日本人である私達は、大学からの借り物のお宅に穴を開けるのはよした方がいいのではと思っていたのですが、おじさんは平気平気とドリルを取り出して外壁と部屋の内部の壁にケーブルを通すためのドリルを取り出しました。「ちょっと待って」思わず止めて、エアコンの排気口を使えないか提案。隙間に発泡スチロールを詰めただけのエアコンの排気パイプの間を通すことができました。部屋を原状回復して返すというまじめな考えが染み付いていますね。

設置が済んだ後、僕たちは「目立つね。。。」という感想をつぶやき合っていました。この前を学生たちが行き来するので余計に。

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そんな感じでお見せ訪問からわずか一日でテレビの設置と衛星放送の設置ができました。インドでは様々な階層でテレビは娯楽です。僕の勝手な思い込みで、テレビの設置だって時間がかかるのではないかと思っていましたが、予想に反するスピード設置。そういえば、先日連れて行ってもらったオート三輪のドライバーのお宅(彼いわく、スラム街)にも15インチほどのブラウン管テレビとTATA Skyの受信ボックスがおいてありました。クリケットの試合は欠かさず見るそうです。そのような裾野が広い製品であるからこそ、いたるところに販売ネットワークがあり迅速に対応できているのかもしれません。

そして、ぼくもこれでサッカーも見逃さずに済みそうです。

 

[2014年の体験です]

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