禁酒州グジャラートで公認の酒屋に行く。

公開日: : 店・会社 / store, company, 食 / food

禁酒州グジャラートでは、外国人は許可書を得ることで酒を入手することができます。

先日アーメダバード空港で酒飲料購入許可書をもらいましたので、期限が切れる前に使ってみようということで、最寄りの酒屋に行ってきました。(詳しくはこちら:「禁酒州グジャラートで酒購入許可書を入手」

気が付くと、一ヶ月の有効期限が切れる前日です。あぶないところでした。日本ならコンビニか自販機で驚くほど普通に買えるお酒なのですが、グジャラートでは脱法行為なのが不思議です。

車で10分ほどのところにあるホテルの脇にひっそりと酒屋はありました。いや、酒屋というよりは、ドラクエなどのRPGの隠れショップ的な存在です。私の経験では、東アジア諸国のこういったところにはだいたいいかがわしいタイプの店があったりします。

入口には、「許可書携帯者のみ可」と書かれています。実際には、許可書とパスポートが必要です。

階段をくだって、扉を開けると、パソコンが一台ある仕事机に男が二人座って、棚の上に載っているテレビを見ていました。

商売をしている雰囲気は、全然なく、在庫が少ない廃業間際の問屋のようです。

購入できる量は、一ヶ月ウイスキーなら一本とアルコール度数で量が制限されています。

今回は、ホームパーティ用にビールを20本ほど買おうかと思いました。アルコール度数5%程度のビールなら数多く買うことができるのです。

しかし、「ビールの在庫はない。ジンとウイスキーだけだ」というそっけない返事。もともと、現地人が入手すれば罪になる物品を売っている訳なので、うまく商売をするという気もないのでしょう。

ビールがないならせめてワインを数本買いたいとおもったのですが・・・。ワインはインドでも作られていて、ZampaやSulaなどそのいくつかはかなりレベルの高い味に達しています。それもないとのこと。

いたしかたありません。一体、何ならあるのだろうかと倉庫に入って物色。棚はスカスカです・・・。

その代わり、床におじさんが寝てました。インドは自由な国なのです。

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価格表を確認すると、ビールはFoster 500mlで120ルピー(約200円)、スコッチ・ウイスキーのパスポート750mlで2,200ルピー(3,750円)ほどです。外国人向けですから、まあ妥当な価格でしょうね。インド産のウイスキーは550ルピー(930円)と格安ですが味は期待できません。

それほど吟味する余裕もなく、ウイスキー一本とジンを一本購入することにしました。

商品には、バーコードがついていて、スキャンするとデータベースに登録されている私の許可書と照合されて問題がなければ支払いができます。

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しかし、ここで問題発生。

なんと、許可証の期限が切れているというのです。そんなはずはないと、再確認を求めると、システム上では「期限切れ」。しかも、昨日切れたようです。

許可証には手書きで期限日が書かれていますが、先月23日から一ヶ月有効とあります。それなら、ぎりぎり今日までいいことになります。

担当者曰く、最近システム化されて、一ヶ月はどの月も30日で計算されているとのこと。そのため、8月のように31日あるところは加味されず9月から一日分差し引かれるというのです。

これはびっくりなシステム・・・。コンピューターのデータベースを書き換えることは、ローカルではできないようで、これでは方法がありません。

かなり粘って交渉しましたが、途中からもう担当者はテレビを見始めたので諦めました。暖簾に腕押しってやつです。

ちなみに、このときのやりとりで、「申し訳ない」とか「ご不便をかけました」などの非を認める言葉は一言もありませんでした。

せっかく来たのに、非常に残念な結果に落胆しかけましたが、ここはインド、こんなことは珍しいことではないのでいちいち腹を立てたり落胆していてはやっていけません。

収穫なしで帰ることに。

帰り道、以前ロンドンでもよく似た経験をしたことを思い出しました。

少し高価なカメラ用の三脚(10万くらいのもの)を注文して店に取りに行ったときに、倉庫から発注したものと違うシリアルナンバーの同一製品が届いてしまい、製品は一緒だがシステム上不一致が発生するから渡せないという出来事がありました。

そのときも人間はシステムの下僕に成り下がったのかと思ったりしたのですが、正確に言えば、そのシステムをつくっているのも人間なのです。

お客さんが喜ぶような現場で融通がきけばいいのに、と思う反面、インドでそれをするともう賄賂やら不正やらで収集がつかなくなるだろうなとも思ったり。

酒を飲んでストレスを発散するのもよいですが、インドでははじめからうまくいかない可能性の方が高いと思って物事にとりかかった方が、事前準備も日本の時に比べて3倍くらいは慎重にしますし、仮に失敗したときのストレスも軽減できます。

そんなこんなで、せっかく取得した許可証は一度も使われることなく期限切れしたのでした。

このとき得た教訓は、一ヶ月が常に30日と31日で計算されると思い込まないことです。携帯電話のデータプランで28日なんてのも、インドにはあります。

これから、大切な書類を出すときなどは重々気をつけたいと思います。(ただ、お酒がほしかっただけなのに・・・。)

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