グジャラート州で停電は既に非日常?インフラレベルの高さを実感すること。
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最終更新日:2014/12/19
インフラ / Infrastructure, 交通 / transportation
「車での移動がスムーズ」、「停電しない」、「水もめったに止まらないし味も悪くない」というのが、グジャラート州最大の都市アーメダバードと州都ガンディナガルに暮らして思ったことです。どれも日本では当然のことなのですが、デリーやムンバイといった大都市へ出かけるとそう気がつきます。
それもそのはず、グジャラート州は、グジャラートモデルや奇跡と呼ばれる発展を過去10年ほどで遂げた町なのです。それまではほんとに田舎だったといいます。あるムンバイにお住まいのアーメダバード出身の方によると、「町のにおいも、家までの道路も全て変わった」とのことです。これら、現首相モディ氏が知事だったときに成し得た業績のひとつなのです。
実際、モディ氏の実績はすさまじい。2001年の州首相就任から13年の在任期間中に州内の4車線以上の道路距離は400キロメートルから1400キロメートル超に延伸。発電能力は2.5倍に拡大した。13基分の原子力発電に相当する能力増強だ。積極的なインフラ開発や外資誘致は同州に年平均で10%超の経済成長をもたらした。 日経ヴェリタスセレクト
グジャラートでは停電は非日常
人口過密地帯ということもあるでしょうが、デリーやムンバイでは頻繁に停電します。ほとんど毎日、短いものでは一瞬から数分、数時間に及ぶものもあります。停電があると自家発電が機動するところも多く、すぐに復旧したように見えるところもあるので、実際どのくらい止まっているのかはあやふやな部分もあるので実際は停電時間は体感より長いのだと思います。
ただ、インドの多くの地区では、計画停電が6時間程度毎日ある地区もありますし、そもそも電気が来ていないところだってあるわけですから、グジャラートの状況がいかにすごいかがわかります。
首都デリーで一流ショッピングセンターでも、食事中に停電は普通です。誰も慌てたりしません。みんなしばらくすれば復旧するし、もししなくてもまあ仕方ないかなと思っているようです。
一方、グジャラートにいて停電になったことは、数えるほどしかありません。ただ、そういうときは45度以上の酷暑でエアコン稼働率上昇が原因だったりすると、もうシャワーを浴びつづ得るなどしないと熱でやられてしまうでしょう。またグジャラートではどこのアイスも溶けずに買えるんだ、というコメントも聞いたことがあります。確かに、デリーでサーティワンのカップ入りアイスを買ったとき、溶けて固まってを繰り返したと思われる形状担っていたのを思い出します。
経済を活性化させる整備された道路
下の画像はGoogle Mapのアーメダバード、ガンディナガル地区を表しています。緑色の幹線道路が町をつないでいます。
緑の太い通りは、日本の高速道路のように信号が配備されていません。その代わり、交差点付近では速度を落とすためのバンプという盛り上がった部分が計画的に配置されています。道路状態もよく外側へ行くほど混雑度合いも少ないため、効率よく走ることができます。
こちらの写真は、州都ガンディナガルの道。4車線道路がひたすら続き所々ラウンドアバウト(イギリス式の円形交差点)で結ばれています。注目すべきことは道路のコンディションがとてもよく、乗用車がそこそこのスピード(80Km/h)で走行しても、揺れたり跳ねたりして天井で頭を打つようなことはありません。
人が移動するにも適していますが、トラック輸送には更に都合がよいでしょう。
州都ガンディナガルには側道の整備も進んでおり、メイン道路の一本隣に自転車や歩行者用の小道が用意されています。実際は、オートリキシャーが走っており自転車は少なめですが、こういうのは、他の大都市にはないのではないでしょうか。
市街地移動のための鉄道やメトロはないため、道路が生命線になります。(幹線バスという柵で囲われた中を走るものは一部運行しています。)
だからといって、州全体がガンディナガルのようかというとそういうわけではなく、州内最大の都市アーメダバードではこのように車、バイク、牛などが溢れています。メインの道路から一本中に入れば、そこは舗装されていない道も多く、雨の日にはひざ下まで浸かるのを覚悟しなければなりません。アーメダバードは歴史ある町なので、都市全体を計画的に整備するにはそれなりの予算と時間がかかります。一方で、州都ガンディナガルは、それまではほとんど森だったところを開拓していますから、道路にしてもコミュニティにしても計画的に整備されているようです。
ただし、アーメダバード、ガンディナガルにおいては電力、道路状態においては、他の都市に比べ優れているのではないかという実感をもっています。
首都ニューデリーは、次のような4車線道路が走る一方、二車線を逆走車を避けながら走る道も多く、毎回ヒヤヒヤするのと酔いそうになります。
またソニーやサムソンなどの大企業がオフィスを置く地域も、2014年現在舗装されていません。こういった道路も車移動で窪地で激しく揺れるため、徐行せざるをえません。
東京は渋滞がひどく車での移動はいいとはいえませんが、それでも幹線道路に穴が空いているなんてことはないはずです。
電気、道路は、人々の暮らしだけではなく、経済的な発展の土台になる重要なものであることがこの地で暮らしてわかりました。
企業誘致、物流の活性化のどちらにも大きく影響を及ぼします。今は、インドでまだ10番目くらいに大きな都市で、観光客もほとんどいないためガイドブックでも紹介されるページは1ページくらいかもしれませんが、この先発展を続けるための基礎体力づくりに励んでいるグジャラートは、やはり注目すべき都市なのだと思います。
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