インドの格安航空インディゴ(IndiGo)のシンプルながら徹底したブランディングと顧客体験のデザイン
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最終更新日:2019/02/12
交通 / transportation
インドの国内で飛行機移動をするときは、できるだけインディゴに乗るようにしています。
その理由は、定刻出発と細部に渡るデザインです。
インドの国内線は、かなりの確率で遅れます。1時間以内の遅れは普通で、ひどいときは何時間も飛びません。
最近では、2014年6月に国内線ではムンバイ・デリー便が5時間遅れたスパイスジェット(SpiceJet)に、全乗客172人への払い戻しが命じられました(記事)。
また、国際便ではジェットエアーウェイズが22時間遅れ約300人に影響を及ぼしています。(記事)
そんな中、遅延のリスクを一番低くすることができるのが、このインディゴです。
ホームーページを見ると、「On time is a wonderful thing」(時刻通りというのはすばらしいことだ)という大きなバナーが目に入ります。インディゴは、とてもシンプルなホームページの中で、自らのアピールポイントを次の4つに絞り込んでいます。
- One type of airplane – brand-new Airbus A320s/全機種統一 新型エアバスA320s
- One type of fare – low/統一の低料金
- One type of customer service – professional/統一されたプロフェッショナルな顧客サービス
- One way to deal with delays and cancellations – honestly/遅延とキャンセルへの対応方法は、誠実に
実際、私はこれまで7回ほど利用していますが、一度2〜3分遅れた以外は定刻に出発しています。
他の航空会社が遅れまくる現状で「定刻を守る」というのはインドで高い価値を発揮しています。
気遣いのサインとしてのデザイン
あと、インディゴに乗ると、細部まで細かに”デザイン”が施されていることに気がつきます。インディゴの名の通り、インディゴブルーで統一された機体やCAや地上スタッフの制服、送迎用バスや荷物を運ぶ車、機内販売のサンドウィッチ、エチケット袋に至るまで目に触れるところは全てと言っていいほどこだわりとユーモアを見せています。
特に印象的なのは、搭乗用の階段です。バスで機体まで移動する場合は、車いすの方でも登りやすいようにスロープを歩いて登ります。そこにも、「3万5千フィートへ階段」とあるように、ちょっとした遊び心を見ることができます。
インディゴの取り組みを見ていると、大切なのは、細部まで顧客に対する気遣いが感じられることではないかと思います。些細なデザインかもしれませんが、顧客を大切に気遣っているんだなというサインに見えます。そして、目に見える部分のデザインだけではなく、地上スタッフやCAさんたちの接客も高水準です。
インディゴは、そんな顧客中心主義のサービスが功を奏して、約32%の国内便シェアをとっています。
180台のエアバス320を大量受注して世界的に注目を浴びたり、確実な収益性を実現していることなどから、インドでの地位を向上させています。
2012年にはじめてインドを訪れて、長距離列車のカオスな衛生環境や遅延状況からこの飛行機に初めて乗ったときにギャップに驚いたものです。実際、格安航空と言われるほど安いとは思えませんが、2〜3時間の旅が快適に過ごせるため、自分でチケットを手配するときはできる限り利用するようにしています。もし、インドに来られることがありましたら、一度試してみてください。
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