灼熱グジャラート州の日系企業と日本人

公開日: : 統計 / statistics

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インド西部のグジャラートといえば、”グジャラートの奇跡”とも言われる経済発展を遂げた州と言われています。

インド西部グジャラート州の経済躍進を指す。同国の平凡な田舎が約10年で近代都市に変貌を遂げた成長モデルとして、世界から注目された。けん引したのは2001年から同州首相を務めたナレンドラ・モディ首相だ。13年間の州首相在任中に電力供給や道路・港湾整備などインフラ開発を実施した。州の発電能力を2倍以上に引き上げ、停電が多いインドで電力の安定供給を実現した。インフラ整備に加え、投資手続きの簡素化などで外資を誘致し、同州は年率平均で10%を超える経済成長を果たした。[日経新聞、2014年10月24日付]

確かに、依然牛や山羊の通行が優先ではあるものの、道路も整備されガタガタ揺れることなくスムーズに走れるハイウエイのようなつくりになっていますし、他の州に比べ停電になることは少ないです。実感として、一ヶ月に数分から1時間が数回程度。

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13年間かけて成長させたグジャラートのちじは、現在首相ですから、今後同モデルがインド全国を対象に実施され経済成長を遂げるとの期待がなされています。

具体的には、2014年9月に訪日したモディ首相と安倍総理の間では、5年間にわたって3.5兆円の投融資を実行して、進出企業も増やすとの共同声明に合意がなされたり、9月には、中国の首相習近平氏とグジャラート州アーメダバード市で会談を持ったりと、これからますますインドへの進出企業が増えていくことでしょう。

そんな”奇跡”と言われた地に現在、日系企業はどの程度進出しているのでしょうか。

インドには、2013年10月の統計では、1,072社が進出し2,542拠点をかまえています。

 

日経企業の拠点数

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2008年に22拠点ですので、6年間で62拠点増加しています。デリーやムンバイのある州と比べると、絶対数はまだ少ないですが、大企業の生産拠点となる工場も多数ありオフィス数に比べ実際の規模は大きいと考えられます。伸び方はどうでしょうか。次のグラフをご覧ください。

 

拠点伸び率

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拠点の伸びは2013年に統計の取得方法に変更があり、グジャラートはその影響を受けている可能性が高いため少し割り引いて見る必要がありますが、2013年も引き続き高い伸びを見せていることや、現地で新たにスズキやホンダの生産拠点ができる話も進んでおり拠点数が高い水準で増加しているのは確かでしょう。2014年の最新データはまだ公開されていませんが、おそらく100拠点に届くのではないでしょうか。

●グジャラート州アーメダバード市に拠点を置く主な日系企業

キヤノン、カシオ計算機、ダイキン工業、電通、日立製作所、スズキ、パナソニック、TOTO、豊田通商、NTTドコモ、東芝、鹿島建設、京セラ、市進学院など

また、ビジネスパークや生産拠点の増加に伴い付随するリサーチ、マーケティング、衛生、広告、住宅などのサービスを提供する会社や人材も増えていくことでしょう。

 

アーメダバード市の日本人居住者数(近隣含)

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このように高い伸び率を続けているグジャラート州ですが、それを裏付けるものとして日本人会も発足しています。インド全国ではデリー、ムンバイ(西部マハラシュトラ州)、ベンガルール(バンガロール、南部カルナタカ州)、コルカタ(東部・西ベンガル州)に次いで8番目とのことです。

グジャラート州最大の都市アーメダバードにしても、2008年当時は5名ほどしか日本人駐在者はいなかった、とということですのでなかなかの伸び方ではないでしょうか。

ここ数年拠点数の増加と合わせて会社派遣の駐在者や現地で事業や研究をはじめる方も増え、アーメダバード市周辺だけでもおよそ50名前後の方が暮らしています。デリーやムンバイと比べて生活が厳しいところでもあるため、駐在者は単身で来られる人が多く世帯数と居住者数は近い数字だと思われます。拠点数の半分以上がアーメダバードですので、グジャラート州全体では80名ほどでしょうか。

この先、グジャラートには巨額の投資のもとビジネスセンターができる予定です。また数年以内にスズキ、ホンダと生産拠点ができれば、ますます日本人だけではなく世界から人が集まることが予想されます。

とにかく夏は暑くて(45度以上)、禁酒、ベジタリアンと娯楽に乏しい土地ですが、だからこそ、周りの人々との連携が大事になります。私も、いつも他の企業の方々にとても助けられています。そんな風に感じたのは、英国、中国では感じたことがなくインドで暮らすようになってはじめてでした。
また今なら、いる日本人はみんな知り合い状態ですが、数年のうちに懐かしい思い出話になることでしょう。

 

ますます注目度を高めていくグジャラート。開拓の伸びしろがたくさんあってチャンスも多い土地です。もしこの地でのビジネスにご興味がありましたら、年一度のイベントであるバイブラントグジャラートというよい機会もあります。バイブラントについては、また後日改めて書いてみようかと思います。

 

 

●参考リンク

インド日本大使館「インド進出日系企業リスト」

アーメダバード日本人会グループポートレイト

アーメダバード日本人会設立のニュース

 

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