インド・グジャラート州の牛乳事情 ”日持ちしないおいしい牛乳”/Milk in India “Long live to Milk” 

公開日: : 最終更新日:2019/04/26 食 / food , , ,


インド・グジャラート州アーメダバードの町中には、大きく二つのタイプの牛乳が売っています。ひとつは、殺菌された長期保存用牛乳、もうひとつは袋詰されたパケット販売の牛乳です。

味は、袋詰されたものの方がよいとの専らの評価ですが、非加熱であるため傷みやすいのが特徴です。一袋500mlで、3〜6%の乳脂肪分のものをよく見かけます。6%はクリームが入っているのではないか思えるほど濃厚です。個人的には、4%くらいが好みです。

Amulという女の子が力こぶをつくっているブランドがこちらではメジャーのようで、町中でもこのブランドのイラストが入った輸送トラックをよく見かけます。牛乳は、栄養価が高くて成長にいい影響を与えるというイメージで売るのは日本もよく似ていると思います。Amulというのはサンスクリット語でpriceless(お金で買えないほど価値がある)という意味です。この会社は、牛乳の売上でインド全体のメーケットの26%、バターでは80%以上のシェアを持っているといいます。かつての雪印みたいな位置づけでしょうか。

値段は、乳脂肪分によって違いますが、写真の4.5%のAmulは21ルピー(38円)です。ローソンの3.6%パック牛乳が300mlで100円ですから、5分の1くらいの価格といえます。

2013年10月の新聞記事によれば、悪気候や家畜の餌代や燃料費の値上げなどにより牛乳の値段は段階的に値上げされてきているようで2013年4月〜10月にかけて、半年間でAmul牛乳は1リッターあたり2ルピーの値上げをしています。

お店では、パッケージの側面に印刷されている消費期限をよく確認して買います。数日後の消費期限と思って探しても、だいたい当日です。基本的に当日中に飲むものだそうです。よくどこにも期限が記されていないものもあります。できれば避けたいですが、あとはその店の信用によります。今日も、記載がなかったので「これ期限書いてないから交換して」といったところ、「大丈夫だ、それは今日入荷したばかりのものだ」というやりとりがありました。いつも買っている店であれば、信用してもいいかなと思います。もっとも、店によっては、40度近い店内の床に山積みにして売っている場合もあるので、そういう場合は要注意です。自分は買うのを避けますね。

帰ったら早めに加熱殺菌して、タッパーか地元の人が使っている牛乳入れに入れて冷蔵保存します。ほんとにすぐ悪くなるのでその日中に飲んでしまうのがよいです。この前、試しに一日置いてみて朝は大丈夫だったけれど、夕方にはもうにおいが変わって「これは悪くなりかけのボーダーライン上」と判断して飲まないことにしました。

いろいろ手間がかかる牛乳ですが、味は濃い目の牛乳好きにはたまらないです。氷を加えて少し薄めのアイスミルクもいけます。

ちなみに、非加熱で飲んでも特に問題無い感じではありましたが、こういうのは蓄積ですし、インド人も加熱して飲むのが普通だそうですからやはり加熱するのがいいのだと思います。

加熱処理と冷蔵輸送というのは、牛乳の鮮度維持に大きな影響を及ぼしていることをインドに来て改めて気づきました。徒歩数分内のコンビニで24時間いつでも長持ちするおいしい牛乳が買えるのが当たり前の日本でも、紙パックが普及しはじめたのは1961年以降東京オリンピックの前後だそうです(日本製紙株式会社WEB)。ロンドンでの暮らしのときには紙パックはなく、プラスチック容器が主流でした。上海では2009年ごろにもう紙パックがコンビニやスーパーで主流でした。インドでも近い将来、加熱後パッケージされた牛乳が市場に普及する日がくるのでしょうか。ただ、それには冷蔵庫が各家庭に普及する方が先なんでしょうね。経済産業省(三菱UFJコンサルティング)によるリサーチでは、2020年までに40%前後の家庭に冷蔵庫が普及するのではと見通しています。これは農村と都市部で大きな開きがでるでしょうけれど。

私は、1970年代生まれですが、昔学校給食で三角のパック牛乳が出たのを喜んで飲んでいたのをちょっと思い出したりもしました。フルーツ牛乳みたいなのが、インドのように袋詰で売っていたのも記憶していますね。懐かしいです。

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